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エンビプロ・ホールディングス【5698】徹底解説|都市鉱山からレアアースを救う"環境配慮型リサイクル"の旗手

南鳥島のような新規資源開発が「未来の供給源」だとすれば、すでに国内に眠る使用済み製品からレアアースを取り戻す「都市鉱山」は「今すぐ動かせる供給源」です。この分野で存在感を強めているのが、静岡発祥のリサイクル企業エンビプロ・ホールディングスです。この記事では、同社のレアアース関連事業の強みと、業績・将来性・リスクを解説します。

企業概要とレアアース事業における立ち位置

エンビプロ・ホールディングスは、東証スタンダードに上場(証券コード5698)する金属スクラップリサイクル企業です。鉄スクラップなどの資源循環をコア事業としながら、2018年に子会社VOLTAを設立してリチウムイオン電池(LIB)のリサイクル事業に参入するなど、事業領域を広げてきました。

レアアース分野では、ハードディスクなどからネオジム磁石を回収する取り組みを進めており、大手が本格参入していない「都市鉱山からのレアアース回収」というニッチ領域でのポジション確立を狙っています。

独自技術・精製アプローチの解説

同社の技術的な特徴は、水素壊砕(HPMS)技術を用いた、薬品を使わない乾式でのレアアース磁石抽出にあります。従来の湿式精製が強酸や有機溶剤を大量に使うのに対し、環境負荷の低い方式でレアアースを回収できる点が強みです。

また、日本原子力研究開発機構発のベンチャー企業エマルションフローテクノロジーズとも共同研究契約を結び、独自の溶媒抽出技術「エマルションフロー」を使ったリチウムイオン電池からのレアメタル回収にも取り組んでいます。東京大学大学院工学系研究科の村上進亮研究室とも共同研究を行うなど、大学・国研との連携を積極的に進めている点も特徴です。設備面では、処理能力を従来比1.7倍に高めるプレシュレッダーの稼働も進めており、省エネ・省人化と回収効率の向上を両立させようとしています。

収益構造と利益体質

同社は6月期決算で、直近(2026年6月期第2四半期累計)の連結経常利益は前年同期比3.8倍の13.7億円と急拡大しました。これを受けて通期の経常利益予想を、従来の17億円から26億円(前期は12.1億円)へと大幅に上方修正しています。直近3ヵ月(10〜12月期)の売上営業利益率は前年同期の4.1%から7.1%へと改善しており、収益性の向上が進んでいることがうかがえます。

ポイント:鉄スクラップなどの金属相場に業績が左右されやすい業態ですが、直近は市況の追い風とLIBリサイクル事業の成長もあり、利益率の改善を伴った増益基調にあります。中期経営計画(中計2028)も策定済みで、成長投資のフェーズに入っています。

将来性と成長ドライバー

成長ドライバーは大きく2つです。1つ目はLIB電池リサイクル工場の増設で、EV普及に伴う使用済みバッテリーの増加を見据えた投資です。2つ目は、ハードディスク等からのネオジム磁石回収をはじめとする都市鉱山からのレアアース回収領域で、南鳥島のような新規開発と補完関係にある「今すぐ動かせる」供給源としての価値が今後さらに見直される可能性があります。

抱える課題とリスク

最大のリスクは、コア事業である鉄スクラップ等の金属相場に業績が左右されやすい点です。相場が悪化する局面では、増益基調が一転する可能性があります。またレアアース磁石回収は技術的にはまだ発展途上の領域であり、大規模な収益源に育つまでには時間がかかる可能性がある点も踏まえておく必要があります。時価総額は住友金属鉱山のような大手非鉄金属企業と比べて小さく、株価の値動きが荒くなりやすい点にも注意が必要です。

投資家・市場からの評価

直近の大幅増益・上方修正や利益率改善は、市場からポジティブに評価されやすい材料です。環境配慮型のリサイクル技術と、大手が手薄なニッチ市場でのポジション取りという切り口は、レアアーステーマの中でも「都市鉱山」という独自の切り口を持つ銘柄として注目されやすいと言えます。

本記事の財務数値は同社の決算短信・適時開示資料等をもとに2026年8月時点で作成しています。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で、最新の決算・適時開示情報をご確認のうえ行ってください。

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