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「レアじゃなくなったら名前はどうなる?」レアアースの基本と、日本がリサイクルに必死になる本当の理由

「レアアース」という名前を聞くと、「じゃあ将来たくさん見つかったら、名前が変わるの?」と素朴に疑問に思ったことはありませんか。この記事では、そんな名前の由来から、なぜ「採掘」よりも「リサイクル」という言葉がセットで語られるのか、そして日本がどんなルートで自前調達を目指しているのかまでを、初めての方にもわかりやすく解説します。

「レアアース」の名前の由来と、将来も名前が変わらない理由

レアアース(希土類)とは、周期表に並ぶスカンジウム・イットリウムと、ランタンからルテチウムまでの15元素(ランタノイド)を合わせた、合計17元素の総称です。名前の由来は19世紀にさかのぼり、当時は珍しい鉱物から発見され、しかも分離が非常に難しかったことから「希(まれ)な土(酸化物)」と呼ばれるようになりました。

ここで面白いのが、「レア(rare)」という名前でありながら、実は地殻中の存在量そのものはそれほど少なくないという点です。例えば代表的なレアアースであるセリウムは、銅とほぼ同じくらいの量が地殻に存在するとされています。それでも名前が変わらない理由は、レアアースの「レア」さが埋蔵量の少なさではなく、「純粋な形で取り出すことが難しい(精製が困難)」という性質に由来しているからです。鉱石の中に17元素が複雑に混ざり合っており、化学的性質がよく似ているために分離が難しい——この構造そのものは今後も変わらないため、たとえ新しい鉱床がたくさん見つかったとしても、「レアアース」という名前が変わることはなさそうです。

なぜ「採掘」ではなく「リサイクル」という言葉がセットで出てくるのか?

レアアースのニュースを追っていると、「採掘」と同じくらいの頻度で「リサイクル」「都市鉱山」という言葉が登場することに気づきます。これには理由があります。

第一に、前述の通りレアアースは精製が非常に難しく、新たに鉱山を開発して精製プラントを一から作るには莫大な投資と時間がかかります。第二に、日本国内にはすでに大量のレアアースが「使用済み製品」という形で眠っています。スマートフォン、パソコンのハードディスク、家電のモーターなどには、ネオジム磁石をはじめとするレアアースがすでに使われており、これを回収・再利用できれば、新たに掘り出す必要すらありません。

実際、日本国内に蓄積されたリサイクル可能な金属資源、いわゆる「都市鉱山」の規模は、世界有数の資源国に匹敵するとも試算されています。ゼロから掘るよりも、すでに国内にある資源を回収するほうが早く・安く・環境負荷も低く済む可能性がある——これが「採掘」と「リサイクル」がいつもセットで語られる理由です。

日本のハイテク産業を守る「都市鉱山」と「南鳥島」の2大ルート

現在の日本には、レアアースの自前調達を目指す大きく2つのルートがあります。

ルート概要特徴
都市鉱山(リサイクル)使用済みスマホ・家電・ハードディスクなどから回収すでに国内にある資源を再利用。即効性があるが回収・分離コストが課題
南鳥島レアアース泥南鳥島沖の深海底(水深約6,000m)から採掘新たな国産資源。2027年に本格採鉱試験を予定するが商業化には時間が必要

都市鉱山ルートでは、エンビプロ・ホールディングスのような企業がハードディスクからネオジム磁石を取り出すなど、身近な製品からの回収に取り組んでいます。一方、南鳥島ルートは、内閣府とJAMSTECが主導する国家プロジェクトとして、2026年2月に世界初の泥の採取試験に成功し、2027年にはより大規模な本格採鉱試験が予定されています。

2つのルートは競合ではなく補完関係です。都市鉱山は「今すぐ使える」短期的な供給源、南鳥島は「将来の柱」となる中長期的な供給源として、それぞれ役割が異なります。日本はこの両輪を同時に育てることで、中国に依存しない体制づくりを目指しています。

まとめ

「レアアース」という名前は、量の少なさではなく「取り出す難しさ」に由来しており、この難しさが解消されない限り、名前が変わることはなさそうです。そしてこの「取り出す難しさ」こそが、日本が新しい鉱山開発と同じくらいリサイクルに力を入れている本当の理由です。都市鉱山と南鳥島、この2つのルートの進み方は、今後のレアアース記事でも継続してチェックしていく価値があるテーマです。

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